こんにちは森林の風事務局です。今回はこれから導入を検討する測量機器についてです。
春先から三重県を通して各測量機器メーカーさんからICTを利用した測量機器のお話をお受けしてい
ます。
これは2024年から本格運用される森林経営管理制度を見越しての動きでもありまた、直近では
当団体と関連する企業様のCO2排出量削減の意識が高まるに連れ、森林づくりにおける吸収源対策に
関しても当団体の取組姿勢が企業からも三重県からも期待されているからです。
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企業の森内のより精度の高い炭素吸収量等の調査、算出するためにはスギ、ヒノキなどの
樹種による区分けエリアを正確に実施する必要などもあり、ICTを活用した最新の機器と
従前の調査方法とでは圧倒的に作業に関わる人数や費やす作業時間を縮小することがで
きます。また、2年後に本格運用される新しい森林管理システムを円滑に運用するためにも現在、
行われている市町村の体制の整備、所有者の意向調査それに伴う境界確定の事業など、ICTを
活用した新しい森林測量システムなどは存在感を増すことになると予想されます。
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さる6月下旬に当団体主催で三重県職員、菰野町役場、地元森林組合等20数名の関係者が
集まり「株式会社マプリィ」の地理空間情報のアプリプラットフォーム「mapry(マプリィ)」
という製品のデモンストレーションを開催しました。これは3次元情報をLiDARなどのリモート
センシングを用いて低コストで情報を取得・解析するサービスを提供しているプラットホームです。
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毎木調査などの森林調査においては、これまで人手で計測、もしくは高価な機器で計測してPCに
データを移し処理していたものを、スマホやタブレットのみで安価にLiDARで自動計測し、精度の
高い胸高直径・材積を算出することができ同時に植生や地形なども取得できるため、様々な目的の
森林調査の効率化を実現できるというメリットがある。また、スマホやタブレットでLiDAR計測する
ことによって、低コストで手軽な新たな測量が可能であるという紹介がありました。
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個人的に感心したのは、スマホやタブレットの組み込まれているジャイロ機能を利用して
トレースしていくという発想に感じ入りました。通常、ジャイロ機能を使って機器などの水平を
保たせるということしか考えれませんが、逆転の発想でデバイスの傾きや移動でポイントを
確保していくというのは画期的なことだと思います。起点だけGNSSを使って確保しておけば
あとはデバイスだけで良いのですから一人で身軽に測量・調査ができてしまいますね。
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このような技術革新が進んでいけば従来のような高コスト、高リスクで経営を圧迫し、担い手も
少なかった林業にも少しは明るい兆しが見えてくるのかもしれませんね。
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ちなみにLiDARとは、レーザー光の反射を利用して、モノや地形の「距離」を読み取る機能です。
これを使えば手早くモノの大きさを測ったり、周囲のものを3Dスキャンしたりできます。
比較的スキャンに向いているのは、岩やコンクリートの様に表面がざらざらしているモノ
(表面が反射しないモノ)あまり複雑ではない形状のモノとなっています。またLiDARのセンサー
の性能は空間を認識することに特化しているようで林内には相性が良いかもしれませんね。